今週のシーベルト

 今週の初め、4/11に東京地方には雨が降った、そのときの放射性降下物(フォールアウト)による環境放射線量増加が下の全体図のグラフの右のほうにある小さなこぶである。
(東京都健康安全研究センター「都内の環境放射線測定結果」 http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/ より作成)

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 3/21の雨のときのそれに比べると、誤差程度のものであるが、その3/21以降の部分を拡大したのが次のグラフである。

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 これを見ると、3/21以来きれいに指数関数的に減衰していた曲線に、4/11以降変調が現れたことがわかる。
 明らかに、4/11のピーク以降の放射線量は、それまでの緑色の曲線で予測値とした値を下回る値で推移しており、減少している。
 この時期の放射性降下物を1日単位で計測した値の表も同サイトに載っており(「都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果」 http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/f-past_data.html)、それを加工したのが次の表である。

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 下の黄色い部分が3/21~23の雨によるもので、30000ベクレル/m^2/日の値で飛びぬけているが、今回の4/11の雨による放射性物質降下量は、上の薄黄色の部分で、ヨウ素131で100ベクレル/m^2/日、セシウム137で169ベクレル/m^2/日の値である。
 ヨウ素とセシウムの比を取ったのが最右端の欄の値で、1より小さい(セシウム137の放射能がヨウ素131のそれよりも大きい)ものには水色を塗ってみたが、今回の雨の日を含め4月以降セシウムのほうが多い日が目立ってきている。
 3/21のときのヨウ素/セシウム比が、80~100もあったのに比べると格段の低下であり、前も述べたように、ヨウ素131による放射線量はその短い半減期(8日)により、着実に低下してきている。

 また、上の表にもあるように、4/13以降は環境への追加分である降下物にはヨウ素131は「不検出」の日が続いている。
(同サイトの注意書きにもあるように「不検出」とは値がゼロということではないので、注意が必要だが)

 そして今回4/11の雨は、その(今までの降下物の累積による)環境放射線量の値を、ヨウ素の半減期による減衰以上に更に低下させている。
 この雨によるピークの後の減衰が一般的な現象なのか、今回だけの状況によるのかは不明であるが、素人の当てずっぽうの推測によれば、前にも書いたように、雨風による地表環境からの放射性物質の流出と、地下への放射性物質浸透による放射線遮蔽効果があるのではないかと思う。
(誰か地面を掘って確かめてみてほしいかも)

 いずれにせよ、
・(海はともかく)大気中への放射性物質の放出はほとんど止まっており、
・大気からの放射性降下物(フォールアウト)は、ほとんど終了しており
・放射能の主役はヨウ素からセシウムに移りつつあり、
・また雨風で地表放射線量は半減期以上の割合で減衰することも期待できそう
な気がする。

 しかし一方また、同サイトには「水道水中の放射能調査結果」(http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/w-past_data.html)というのもあって、これを見ると4/10以降セシウムは不検出の日が多いが、ヨウ素131は微少ながら着実に検出され続けているのは、一見上の希望的推測に矛盾するようでもある。
 だが、これは地表にたまったヨウ素131が水系に流出して、地表環境からは減少し続けている証拠と考えることもできるのかもしれない。
(セシウムは化学的特性の相違から水系にはでてこないのかな?、アルカリ金属だから、塩になればいくらでも水に溶けてきそうなものだが...)

 いずれにせよ、桜も咲いたことだし、春の長雨でも降って早く流れてくれないものかと、期待するところである。

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