原子力電気推進(NEP)によるEKBOグランドツアー

(夏でもあり暇なので、)NEP(Nuclear Electric Propulsion)の具体例として、
原子力電池(RTG)とイオンエンジンの探査機で、外惑星ないしEKBOを狙うことを考えてみた。

Cassini や New Horizons に搭載されている GPHS-RTGのスペックは、
7.8kg のPu238 を搭載し全重量 55.5kgで、300W の電気出力、4400W の熱出力らしい。
(http://en.wikipedia.org/wiki/Radioisotope_thermoelectric_generator )

簡単に50kg、300Wとして、10本も積めば、500kgで3KWの電気出力が得られる計算になる。

イオンエンジンはIsp3000秒程度(排気速度V≒30km/sec)として、3KWの電気出力で効率100%なら、
 200000/3000x3=200mN
ほどの推力が得られて、推進剤の消費量は、
 0.2N/30000m/sec=6.7x10^-6kg/sec=6.7mg/sec
1年間の消費量は、
 6.7mg/secx60x60x24x365.25sec=211435920mg≒211.4kg

合わせて10年間の加速減速期間とすれば、約2.1トンの推進剤を使用できて、
探査機の乾燥重量をRTG10本で500kg、イオンエンジンその他と観測機材を合わせて、1トンに抑えられれば、全部で3.1トン、
質量比も3.1でデルタVは、
 Vxln(3.1)=30x1.13≒33.9km/sec

これでどれくらいのミッションが計画できるかな?

冥王星周回ミッションぐらいまでは楽勝かな?
でもイオンエンジンで加速はともかく、減速までするとなると、目標天体到達までの期間が長くなりそう、
今のNew Horizonsでも、木星スイングバイはしてるが化学エンジンだけで、9年で冥王星に到達するから、RTG10本も積んでイオンエンジン使うメリットないかも...

あと目標天体での大気制動でもするならともかく(RTGやらイオンエンジン積んで大気制動というのもハードだが)、
周回軌道投入のためには化学エンジンによる相対的にインパルシブな減速が必要な気がするが、
そうなるとそのためのデルタVによっては、化学エンジンの推進剤質量がペイロードを圧迫しそうだ。

それと、イオンエンジンの駆動期間以外(特にターゲット天体の到着後)は、
3KW近い電力(Pu238の半減期は90年ぐらいあるから、徐々に減少はするが)がもったいないな、
3KWもあればアクテブレーダ観測もできるかな?
でもあまり観測機器を欲張ると、乾燥重量1トンは厳しいかも...

いっそのこと、周回軌道投入はあきらめて、フライバイ観測を複数のターゲットに行う、EKBOグランドツアーにするか?
(いったい何年かかるのか...)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック