イトカワの質量推定-3

だいぶ時間がたってしまい、時期がずれてしまったが、とりあえずの結論

その後もあれこれ考えてみた。
潮汐力と太陽風の影響については、前稿で無視可能との試算結果であったが、あと残っているのがやはり、例の軌道分散の影響である。
 この「軌道分散」という用語については正確な意味を知らずに使っているが、(第1稿でもちょっと触れたが)高度方向に直交する周回軌道方向(下記X-Y面内)の速度成分、のつもりである。(正確にはその速度の2乗か?)

この周回軌道方向の速度成分の影響を、推定方法にどう織りこむか、少し解った気がするので、以下に述べてみる。


 第1稿、前稿と同様に、イトカワの重力定数をμ、イトカワまでの距離Rで観測されるハヤブサの加速度をα、太陽放射圧による加速度をβ、とおく。
更に、高度方向に直交する周回軌道方向の速度成分をΔVとおくと、ΔVによりイトカワとの間に生じる遠心力による加速度成分は重力加速度と逆方向で、
 ΔV^2/R
であるから、はやぶさの受ける加速度は、
α=μ/R^2+β-ΔV^2/R

難しく考えなくても、重力加速度が軌道分散による遠心力でキャンセルされると考えれば(近似的には)いいのだ(と思う)。
 しかしながら、こうなると各観測値毎に軌道分散の未知数が増えて、第1稿、前稿でやったように2つの加速度の観測値があっても、未知数を消去して重力定数μを求めるという方法は使えなくなる。
高度制御履歴だけでなく、周回軌道方向(下記X-Y面内)の速度制御履歴も得られれば、軌道分散は求まるのかもしれないが、それにしても大まかな高度制御に比べて頻繁に行われるX-Y速度制御の履歴を考慮するとなると、かなり複雑な事になりそうである。

ということで、素人に考えつくのはここまでという事で、筆を置く事にする。
しかし、高度制御記録の放物線はきれいにでてるのになあ...


この記事へのコメント

浅見真規
2006年05月09日 09:16
>しかし、高度制御記録の放物線はきれいにでてるのになあ...


上記文章での「放物線」が「二次曲線」を意味するなら、それは太陽輻射圧による加速度の方がイトカワからの重力加速度よりも大きい事が原因かもしれない。イトカワからの重力加速度は変化するので、あなた御自身もすでに気付かれてるように、厳密には「二次曲線」からずれる。だから、きれいに二次曲線のように見えるならば、それはイトカワの近傍での真の「放物線」でないので問題をはらんでいるのである。
浅見真規
2006年05月09日 09:19
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ken-ishi/ItokawaMass.html
>一つは、解析したデータ期間中に有意の高度方向軌道操作、
>マニューバが行われている可能性である。


たしかに、その可能性は高いだろう。
なぜなら、JAXAの「隼」チームは「鳶」に「油揚げ」を盗られないようにデータを隠しているからである。(JAXAの「はやぶさ」チームも苦労してるし、日本がJAXAに拠出した予算によるのだから、「はやぶさ」のデータから得られる学術的名誉について彼らに何らかの優先が認められるのは当然ではある。しかし、3ヶ月以上も基礎データを隠すのは行き過ぎである。
まあ、ともかく、「はやぶさ」の飛行データを発表したら、間髪を入れずにアナタのようにイトカワの推定質量をJAXAより先に発表されるとJAXAの研究者も上がったりなので、アナタのような部外者が重力加速度を算出できないようにエンジン噴射や姿勢変更等の操縦をしてそれを非公開にしてる可能性は高いと思われる。
とおりすがり
2006年06月06日 11:42
うへー、またやっかいなのに絡まれましたねえ(汗)

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