液体ロケットの燃料タンク配置と、充填順序

以前から気になってたことのひとつに、液体ロケット(特に液酸・液水の場合)の燃料タンクの配置と、燃料充填の順序の問題がある。
今回のMTSAT-1R/H-IIA・F7の打ち上げ作業を見てると、第2段のLOX、LH、1段のLH,LOXの順に充填作業が完了している。
この順番にあまり意味はないのかもしれない(同時に充填作業を始めれば、小さな第2段のタンクのほうが先にいっぱいになるだけとの説もあり)が、少なくとも燃料タンクの配置はいろいろな工学的な配慮があって設計されているはずだし、燃料の充填作業にしても、その順番によって運用上の得失があるはずである。

考慮すべき要素として、燃料の重量比ではLOXがLHの5-6倍はあるはず、
体積と蒸発のしやすさはもちろんLHが大きい。
H2Aのタンクの配置は上から、2段LH、LOX、1段LOX,、LHの順になっている。

工学的な制約は、おそらく規模の大きな第1段の方がきついはずなので、第1段の(上から)LOX,、LHの順が基本なのではなかろうか?(スペースシャトルの外部燃料タンク(ET)も同じ順)
この場合、蒸発しやすいLHのエンジンまでの配管の長さを短くできる、というメリットがあるような気がする。
重たいLOXタンクが上に来るというのは、重量的なバランスが悪いような気もするが、それはロケットの姿勢制御で調整可能なのであろう。

充填の順序にあまり意味はないのかもしれないが、ここで気になるのはタンクの冷却による機械的な収縮の程度である。
特に第1弾LHタンクの場合、サイズも大きい上に、燃料充填前の常温から、充填後は液体水素の沸点(-253℃)まで、温度変化の大きさが300℃近くにもなり、計算したことはないがかなりの熱収縮を起こすはずである。
充填前には予冷のため燃料をブローするようであるが、いずれにせよ熱収縮を考慮した機械設計をしておかないと、常温のまま残る他の機械要素との間に予期せぬ機械的応力が発生して、破断するようなことにもなりかねない、気がする。

この記事へのコメント

LH2
2008年02月11日 19:32
野尻ボードからリンクをたどってきました、LH2です。
http://www.geocities.jp/space_launches/
というサイトをのんびりとやっております。

ところで、第1段で液体酸素タンクが上にある理由としては、逆に「重心を上部に持っていく」という理由があるのかもしれません。
矢は、空力中心が重心よりも後ろにあることで安定しますよね。それと同じで、重心を前に持っていくことで(空力中心は変わらない)安定性が増すのではないでしょうか?

あと、重心が前方に行くと、エンジンからの距離が離れるためモーメントが稼げて、制御能力も向上できそうです。

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